GUCCIの時計

今から24年ぐらい前に、百貨店でグッチの腕時計を買いました。
ベルトを着せ替えられるタイプの物で、気分によってコーディネートできると言う感じで買いました。
その時計は当時勤め始めの私にはとても高価な物で、欲しいからと言って直ぐに買える金額ではありませんでした。
会社の先輩や同僚の間でも、グッチは大変な人気ブランドでしたので余計に欲しい気持ちに拍車がかかったのかも知れません。
今思えば時計に10万近くもよく出せたなと言う思いです。
念願の腕時計を変えたのは、3ヶ月ほどしてからだったと思いまし。
お昼休みなればグッチへ出向き、お目当ての時計が売れていないかをチェックしていました。
売れたとしても在庫はあるはずなんですけどね。何となくドキドキしながら見に行った物です。
ようやく毎月のお小遣いを節約して貯める事が出来ました。
会社の就業時間を待つのももどかしく、先輩と一緒にグッチに飛び込みました。
買う事は決めていたのですが、店員さんに焦っていることを見透かされたくなくて、試着させてもらいました。
数分の説明を聞きながら悩んだふりをした後、これくださいと伝えました。
グッチのロゴが入ったシックな袋に入れられた時計を受け取った瞬間に嬉しいのを通り越して吐きそうな気分がしました。
欲しいモノがすぐ手に入る。そういう方も世の中には大勢いるとは思います。
私のように高価な買い物に悩みながら、本当に必要なのか自問自答する人はどれぐらいいるのだろう。
そんな事を考えながら、早く時計を付けたくてウズウズしていました。
次の日からは念願の腕時計をしながら出勤しました。高価なものだからぶつけて傷付けないようにしなくては。
左腕に気ばかり行ってしまいます。
そんな毎日が続き、ある日腕時計をして行くのを忘れて出勤したのですが、とても気が楽なのです。
自分でも不思議なんですが、高価な物を身につける優越感よりも、身につけない安心感の方が強かったのです。
実は私にはグッチの時計は必要なかったのではないか。そんなふうに思えてきました。
そして数ヵ月後、取り替えようのベルトが擦り切れ見るも無残な姿になってしまいました。
ベルトを取り替えるのに又数万円いるのだろうか。そう考えたら、お店に行くのも嫌になり時計は放ったらかしたままになってしまいました。
高い勉強代になったなと思いますが、人には分相応が一番だと身をもって体験しました。
腕時計は今でも箱の中で静かに眠っています。

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